イッセー尾形の字の部分 演出家森田雄三 語録ブログ
森田雄三語録ブログ
偶然の顔合わせ

三連休には京都から神戸から富山から稽古に来て下さる方で病室は満員でした。

京都から来た川元さんはこのところよく訪ねて下さいます。

作品になりそうな根っこが見えて来たのが、雄三も嬉しいのでしょう。

翌日神戸から来た村田さん久保さんのなりたて夫妻と、富山から車で7時間かけていらした結城夫妻に昨日の稽古でねと「風呂板のカビ、電気自動車の静けさ、卵焼きは意外に難しい、ありは何を目指して大群で動くんか」うろ覚えながらも話すと久保さんは、風呂板のカビ面白そうやなと開いた意気込みで病院にむかう。初顔合わせなのに狭い部屋に膝付き合わせ、「はい、何か言って」といきなり雄三に振られても動じないさすが結城さん。またどうせ怒られるだけやろ、と言いながらもスパッとセリフに入る。村田さんに新妻の久保さんが手話で通訳を始めると「村田くんは分かるから通訳はやめて」と雄三。これまた動じない結城さん結城さんの御主人のテラやん久保さん、もちろん村田さんもあたかもセリフが聞こえるように、絶妙なタイミングで答える。

次はい次と雄三がつま先で突っつくと四つの楽器が旋律を奏でるようだ。

ほんの1時間半ほどで、作品は出来てしまいました。

病室から外に声は漏れたでしょうに、誰も不思議には思わなかったみたいでした。

病院、初対面の2組の夫婦、ゆらゆら揺れる雄三、奇妙な空気がセリフを複雑に絡ませているのをそこにいるみんなが、はっきりと知りながらかってに言葉が口から飛び出ているようでした。楽ちん堂でセリフ起こししようと向かう道すがらにも「これ再現しようとしたら絶対出来ないんだよね」ああ、でも富山に行きたくなった。久保さんは手話なく言ったけど、やっぱり村田さんも頷いた気がしました。

明日は仕事と手を振り振り北へ西へと帰った後に、もう書き起こした原稿が新幹線から送られて来ました。読み上げると雄三は増やしてまだまだ増やしてと出ない声を振り絞って言いました。

翌日のお試し帰宅の、雄三清子の不安もきれいに消えていました。


| - | 13:44 | comments(0) | - |
「酒癖が悪い人」sound of雄三語録

| - | 00:19 | comments(0) | - |
いしだぁーっエレベーターまで届く声

石田さんが記者会見で上京した。
斎藤美奈子さんの「この作品を埋もれさせてはならない」との直感力に救われての評判だ。
おおらかに斎藤さんのおかげとは言いながら、2日間の彼女の姿には、10年2人の子を抱えシングルで働いた地金の強さが光り出す魅力があった。

取材して下さった記者の方々を1人づつ、訪ねた書店の応対の様々を、消灯寸前の病室の雄三に飛び込み報告してくれる石田さん。
書き続けるんだぞ、書けないとピンチの時こそ、そこからほんとうに書けるんだぞ、雄三は両手を振り回して、すでに灯りの消えた薄暗い中で目を光らせて石田さんに唾飛ばし吠えた。

うんうん、消灯だからねまた退院したら楽ちん堂で一緒にやらんと、雄三さんにいててもらわんとできへんから。じゃ帰るよと廊下を歩きエレベーターにまで、いしだぁーっいしだぁーっ
雄三の声はまさにワークショップその時のままに届いていた。
| - | 07:10 | comments(1) | - |
太郎くんの手紙と折り鶴

一年生になった太郎くんが、楽ちん堂にママと来てくれた。

幼稚園に入るか、風の子にしようかとママが迷っていた頃からのご縁だ。

雄三さんいかがですかとママの穏やかな気遣いが、感じられる。

4年前の楽ちん堂を始めた時は、いつまでやれるか分からない不安をどれだけ乳飲み子抱えたママ達が支えて下さったことか。おっぱい飲ませながら、雄三の稽古にも参加して下さり名作が沢山生まれた。その子達がどんどん大きくなるのを雄三は今、自分の中にそれと比例して希望を見だしているようだ。大きな不揃いなひらがなの手紙とママが折っただろうきっちり羽を広げて重ねられた鶴を袋から出すと、あーと目が晴れやかに開く。

リハビリしますよの療法士の声に答える身体に、力がみなぎるのだけれど、1番の難関前のめりに、おーっとまだまだ待ってくださいよぉと押し戻されるほどに張り切る雄三。

ふとした小さなことに闘病している人は、力をもらうものだと寄り添うものもまた帰りに見上げる月が美しいおもい。

| - | 23:37 | comments(0) | - |
「家族がわずらわしい」sound of雄三語録

| - | 23:47 | comments(0) | - |
「感情が不特定多数に向かう」sound of雄三語録

| - | 01:10 | comments(0) | - |
つむぎ君がくると雄三は

雄三とつむぎ君は誕生日が一緒だ。
風の子という自主保育の親子が、多摩川河川敷の拠点からの帰りに楽ちん堂に立ち寄るようになったのがきっかけで、子供いっぱいの時がある。雄三は「こらぁーっ」と怒るじいちゃんを演じていたが、4年前のおっぱいを飲んでいた頃から、つむぎ君は動じたことがない。

彼の言葉が豊かになっていく過程を、日々身近に感じていたある日「怒ってるみたいだけどねほんとうは優しいよ」と後ずさりする子の耳元にささやいていた。

病院の雄三に会いに行くと言って道すがら手もつながずに歩く。
「つむぎは来年一年生だね。字を練習するの雄三さんも一緒にするといいね 」
「もう、つむぎは書けるよ。でも、むは書いてもらったのを見ながらじゃないと難しいね」

病室のドアの手前で、一瞬足が止まって見つめたつむぎが雄三に近づいた動き、それに私はほどけた。
「おーっ、つむつむ」手招きして満面に笑う顔に、そうだ病院で笑うこと少ないわ、と気づく。2人一緒の誕生日7月27日に退院させたいと強く思った光景だった。

 
| - | 08:01 | comments(0) | - |
「食品偽装」についてsound of雄三語録

| - | 22:30 | comments(0) | - |
「バーに通ってしまう女」sound of雄三語録

| - | 22:06 | comments(0) | - |
山形のワークショップは、お寺で

5月になるとお知らせが来てよ、ああまたみんなに会えるぅって楽しみでよぉー。

美代さんは、雄三に会いたいと、楽ちん堂に突然御主人といらして下さった。

蔵王のふもとにあるそのお寺は、関ヶ原の合戦の頃から引継がれ、今は若夫婦が隅々までピカピカに磨き上げて、ヨガなどイベントを檀家の方々に呼びかけている。

雄三ワークショップをするのには、大変な決断だったろう。

ご高齢の男女が幼馴染の親しさそのままに、食べものを持ち寄って集まって下さった。

300年の間2度の火災を免れた柱に木彫のお坊さまが、角度によって変幻自在に表情が変わって見えるのを雄三は、見上げながら皆さんの編み出す言葉に聞き惚れて、毎日、何話も出来上がって行った。

美代さんは6年前の初回の山形ワークショップから参加していたが、いつ来て何をやったか記憶に無いほど地味なのに、本番には必ずここと言うところであたふたしている人を助けている。本番が終わるとまたあれっこの人何やったかなと静かな存在に戻っている。

昨年の山形の発表会では、立派な本堂前で死人が葬儀中に参列者に見えないことをいい事にふざけて見せる楽しい芝居が完成した。

美代さんは殆ど稽古には出られなかったのに、喪服のまま赤ん坊を抱いて亡き人の思い出を語るシーンを作った。

死人が生前好きだった歌を熱唱するそれに被せて、檀家さんでどんな場面もかるがるとセリフを生み出した勝子さんが76歳の貫禄で御詠歌を唄い出すと、満席のお客様も唱和して大合唱の御詠歌で物語が終わった。

とてもたった4日間で作った芝居とは誰もが、参加者の本人達でさえ驚きのワークショップ最終日だった。

遠くから来て下さったのだけど、あの山形の素晴らしい物語を今日は雄三と話したいなと、美代さんには面会は許して頂いた。

それすらも気持ちよく受け入れて下さって感謝してます。

 

| - | 22:00 | comments(0) | - |
+ イッセー尾形オフィシャルブログ
+ 森田雄三プロフィール
1946年・・・石川県白山市に生まれる。 2006年・・・兵庫県高砂市の教師とワークショップで芝居を作る。 スイス国立演劇学校(HMT)の教授となる。           ワークショップに関する本が何冊も出版される。           ワークショップに参加した人達、通称:「森田雄三チルドレン」が、ソーシャルネットワーキングサイト「mixi」(ミクシィ)でも多数存在し、ワークショップでの出来事・森田が話した内容「雄三トーク集」なるコメントがされている。 イッセー尾形の演出家。
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