イッセー尾形の字の部分 演出家森田雄三 語録ブログ
森田雄三語録ブログ
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「玉田先生の本」

 神戸のセンセーズの新年会というか、稽古があった。瀬戸内海が見渡せる中西マンションに先生たちは集まってくれた。皆が「小説を書く」という集い。

 夜中に布団に入って思いついたのは綾さんと玉田さんの小説。綾さんは翌日現れたので、「童話の形」を思いついたので、それを話した。綾さんとは20数年の付き合いだし、これまで作った「綾さんの作品」を知っているから、僕が浮かんだイメージを伝えることができた。

 書く書かないは、綾さん次第だが、書けば一級品になるのは僕は分かる。子育てや旦那の世話、それに老母の面倒や保育士の仕事の手がすけば、書いてくれるだろう。綾さんは「小説が書きたい」のではなく、「熱心な雄三に申し訳ない」と思うから、僕の創作に付き合ってくれるのだ。で、20年以上も雄三に付き合ってくれるのだから、凄いと思う。

 玉田さんは中西マンションに同宿したから、翌朝に、話そうと思ったら、早朝に仕事に出かけていた。玉田さんは「フェイスブック」が面白かったから、これを元にして「写真本」のような物を創ればいい、と思ったのだ。

 で、この思い付きを玉田さんに伝えないまま、僕は東京に戻った。

 前に一度、玉田さんに「あなたのフェイスブックが面白いのは何故ですか?」と聞いたことがあった。玉田さんは現役の教師で、授業を始める時に「生徒に話す無駄話に使えるから」と答えていた。落語で言うところの「まくら」というやつですね。生徒が授業に入りやすくする為に「興味を引く話」ということです。

 玉田さんと連絡を取るのも面倒くさいと思っているうちに、僕は自分で玉田さんのフェイスブックを開き、読み始めていた。ここ数年の間、玉田さんは熱心にアップしてあるから、膨大な量になっていた。一日何回もアップしているし、記録が好きなのだろう。というより「使い捨て」が好き、と思えてくる。かっこよく言えば「過去に固執しない」となるが、大雑把にいうと「見返さない」ということだ。自分のフェイスブックに価値を置いていないのが分かる。「どうでもいい」のだ。

 僕はそれを読み返した時に、「創作」というのは、「改めて創る」のではなく、「そこにあるもの」と気が付いた。美術に例えると、「石ころ」が作品なのだ。これが前衛芸術の根本なのだ。

 100年前、マルセル・デュシャンというアメリカ人が、公募展に男便器(あさがお)を、美術館に展示した。これが前衛芸術の始まりになった。

 だから、玉田さんが「捨てるようにアップしたフェイスブック」にこそ創作があると僕は思ったんですね。

 で、玉田さんの膨大なフェイスブックを拾う作業が始まった。現役の教師である玉田さんを思えば、僕は暇な老人だ。それにフェイスブックを見れば見るほど、玉田さんが多忙なのが分かる。玉田さんの家は農家もやっている。田んぼ仕事をトラクターでこなしている。それにバトミントン部の顧問であり、子供たちを全国大会に連れて行くレベルだ。フェイスブックによると「朝練」「放課後」「日曜日」「遠征」という練習だ。半端な練習では「全国大会」など行けるわけがない。こんな忙しい時間を縫って、玉田さんは「雄三WS」に参加してくれる。昨年は「富山WS」にも来てくれた。

 「豊かな人間ほど作為的ではない」というフレーズが、僕の頭の中に浮かんだ。昔で言う「尊敬できる人」なのだろう。「アピールしない人」という言い方もできる。

 これは是非「出版すべき」と、僕一人で夜中に盛り上がった。玉田さんには「何一つ伝えていない」。それは面倒くさいとか、気を使うを通り越して、「森田雄三が玉田浩章になった」からだ。

 僕はいろんな素人に小説を書かせようとしているが、多分、遠くを捜していたのだろう。「才能のある人」を求めていたのは間違い。だが「才能」は身近な人にあり、それに気が付かなかったということだ。

 僕一人で盛り上がっているに過ぎないが、この夏には玉田さんの本を出版しようと思う。で、大手の出版社に営業を掛ければ、商業出版され、一般書籍として書店に並ぶかもしれない。

 玉田さん、何も言っていませんが、僕の中でこんな段取りになりましたので、ご了解くださいませ。本の形にして近日中に送ります。書き加えてほしい事も指示しますので(そんなに難しい事ではない)、よろしくお願いします。

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雄三さんは、とある女優さんの出家どう思いますか
| 幸福のナントカ | 2017/02/13 5:28 PM |










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+ 森田雄三プロフィール
1946年・・・石川県白山市に生まれる。 2006年・・・兵庫県高砂市の教師とワークショップで芝居を作る。 スイス国立演劇学校(HMT)の教授となる。           ワークショップに関する本が何冊も出版される。           ワークショップに参加した人達、通称:「森田雄三チルドレン」が、ソーシャルネットワーキングサイト「mixi」(ミクシィ)でも多数存在し、ワークショップでの出来事・森田が話した内容「雄三トーク集」なるコメントがされている。 イッセー尾形の演出家。
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