質問
雄三さん、オナニーって何歳ぐらいまでやればいいんですかね?
回答
僕は病気がちで大量の抗生物質を飲んだからスタンダードだとはいえないけど、60歳ぐらいで勃起しなくなった気がする。それは性的な事柄で気がついたのではなく、あまりにチンチンが小さくなったからだ。親指ぐらいの大きさになった。おしっこのたびにチンチンを捜すのが一苦労。間に合わずズボンをぬらす。というより、便座に座って小便をすると、足元が濡れる。睾丸の上のペニスが余りに短くて、筒先が下向きにはならないからだ。
僕は沢山の本を読んでいるが、老齢期のチンチンの縮小については、女性詩人の「父の思いで」の随筆にあったのみだ。
性欲については個人差が激しい気がする。僕は「性欲」を生理現象とは思っていないからだ。
僕は胆のう炎で、しょっちゅう嘔吐をもよおす。吐き気がある間は、当然食欲がない。そのはずだが、口が食べ物を欲しがる。周りの人が食べていたり、テレビで料理が出されると、ついつい食べ物に手が伸びる。そして嘔吐するから馬鹿みたいだ。
だから、性欲にも「生理的な欲望」の他に、「みんながやっているなら俺」もの欲望があるのではなかろうか。「みんなが食べてるなら俺も食べたい」と同じ。
だからオナニーもセックスもそうだけど、僕は30歳から40歳まで建築業で働いていたから、性的なことから遠い暮らしだった気がする。それはなにも、肉体労働だから身体が疲労するという意味ではなく、飯場のような合宿生活がまわりにあったから、周囲がセックスやオナニーをする環境になかったということだ。セクシーな雰囲気とは程遠い環境だったということ。
こんな風に考えると、僕らの若い頃は「セックス」も「オナニー」もいけないという環境にあった。僕らの高校時代には、セックスもオナニーもしなかったということだ。
僕の性的な理論からいうと、周りが性的じゃなかったから、こっちも性的になりようがなかった。「みんながやってないなら俺も」ということで、性的なことに煩わされることのない男女交際だったということだ。
味気ないといえばそれまでだが、男は女の子に「自慢話をした」もんだ。その為に勉強したといえる。僕の演劇の知識のほとんどが、女の子のために仕入れたといえる。
女の子は「男を立てる」ことにエネルギーを注いだんじゃなかろうか。興味ありげな相槌を、女の子は誰でも上手だった。そんな相槌に力づけられたものだ。
僕の考えでは、性行為の開放はエロビデオにある気がする。今は懐かしい「VHS」と「ベーター」の戦争を思い出していただきたい。パナソニックがVHSで、ソニーがベーター。両者ともビデオ再生機の販売にしのぎを削ったのです。結局、パナソニックのVHSが勝利するのだが、その裏技がエロビデオだった。
日本が世界に誇る大企業が、男女交接のモロ映像を秘密裏に製作し、ビデオ再生機購入のオマケとして配布したのだ。かくして、日本全国の中高生がセックス画像を目の当たりにすることになった。で、中高生がオナニーを覚えた。動物園の猿のように一度覚えた性的な快感が、一生続くこととなったのです。
エロビデオよりテレビゲームを面白がる次世代が出てくると、質問者もそうだろうがエロビデオ世代の変さが目立つだろう。エロビデオ世代は、死ぬまでオナニーを続けるだろう。チンチンを握ったまま頓死する。それが本望じゃないかな。
僕らの前の世代が「天皇陛下万歳!」で死んだように、エロビデオ世代がチンチンの鉄砲を発射して死亡するって大いにありうると思う。
若い頃に覚えた快感は、生涯逃れられないものだと僕は思っているから、質問者も覚悟してオナニーに殉死する態度を薦めたい。性欲のイメージは、生理現象とは関係ないから、いつまでもチンチンを遊び道具に出来るのです。